2 不適切行為が容易に行える環境

2 不適切行為が容易に行える環境

不適切な行為が容易に行える環境は、次の事象が見受けられました。
a)データは紙に鉛筆で記録される仕組みで、規格外れを書き直して依頼先の検査報告書に書かれていた。
b)検査データ入力する場所が閉鎖的であった。

検査現場にて検査結果の生データと顧客へ提出した検査成績書の提示を求めます。
過去の検査不祥事では、顧客へ提出する検査成績書が改ざんされているケースが多いため、
検査結果の生データと顧客提出の検査成績書を比較すると良いです。

a)手書きの場合は次の事項を確認する。
・手書きによるリスクへどう対処しているか。
・どのようなヒューマンエラー対策をとっているか。

b)検査現場が閉鎖的な場合は次の事項を確認する。
・検査員に手順を説明してもらう。
・検査手順と実際の検査実施状況を観察する。

さらに、品証部門やトップマネジメントには次の事項を確認します。

(品証部門)
・検査プロセスのリスク分析実施の有無
・リスク回避の対策を検討したか
・検査現場の環境改善(視認性・開放性)の検討をしたか

(トップマネジメント)
・他者検査データ不祥事による検査体制のリスク分析の実施を指示したか
・コンプライアンス徹底のため具体的な取組を指示したか
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※メルマガで配信したコラムを修正・加筆したものです