ISO 9001が2025年11月に改訂される予定です。
国際規格は以下のステップで改訂されます。
WG(作業原案)→CD(委員会原案)→DIS(国際規格案)→FDIS(最終国際規格案)
→IS(国際規格)
今回は4月に発行されたCDの概要説明です。
(DISが2024年9月、FDISが2025年7月、ISが2025年11月に発行予定)
ISO 9001の改訂では、次のインプット情報が考慮されることになっています。
①附属書SLの適用の強化
②品質におけるトレンド
③リスク及び機会を分けて考える
④文書化した情報の表現の見直し
今回のメルマガでは、「①附属書SLの適用の強化」④「文書化した情報の表現の見直し」について説明します。(最終的な決定事項ではありません。変更もあり得ますのでご了承ください)
附属書SLは、「ISOマネジメントシステム規格の共通要素」のことで、ISOマネジメントシステムの開発者のために
作成されたテンプレートです。正式な名称は「ISO/IEC専門業務用指針」です。
2012年に発行されましたが、2021年に改訂されました。以下のURLより参照できます。
https://webdesk.jsa.or.jp/pdf/dev/md_5331.pdf
ISO 9001:2015は、2012年に発行された附属書SLに準拠して作成されました。
今回の改訂では、2021年に改訂された最新の附属書SLへの適用への強化、及び、2024年2月に発行された追補(気候変動への考慮)が反映されます。
現時点は次の改訂が予定されています。
・用語
附属書SLで規定する20種類の用語の定義を9001の箇条3に規定する。
「改善」→「継続的改善」に置き換える。
・気候変動への考慮
箇条4.1及び4.2に、2024年2月に発行された追補(気候変動への考慮)を追加する。
・実行可能な場合には・・・
箇条6.2品質目標「測定可能」から「実行可能な場合には測定可能」に変更される。
・文書化した情報「維持」「保持」の見直し
2015年版では、文書を意味する場合は「文書化した情報の維持」、記録を意味する場合は、
「文書化した情報の保持」としていましたが、2021年に改訂された附属書SLに合わせ、
次の表現になります。
「文書化した情報を利用可能な状態にしなければならない」(文書)
「○○の証拠として、文書化した情報を利用可能な状態にしなければならない」(記録)
・箇条10の構成の見直し
箇条10.1継続的改善(2015年版の10.1一般と10.3継続的改善を統合)
その他、細かな修正がありますが、大勢に影響はありません。
次回は、②品質におけるトレンド、③リスク及び機会 について取り上げます。
※メルマガで配信したコラムを修正・加筆したものです