3.13 有効性(effectiveness)
定義:
計画した活動を実行し、計画した結果を達成した程度
解説:
ISOマネジメントシステム規格は、方針や目標を達成する手段として「PDCAモデル」を採用
しています。Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Act(改善)を確実に運用することが
前提条件です。
したがって、有効性の定義にもあるように、計画通りに実行し、計画を達成したかどうかを評価し、未達の場合は改善します。特別なことではなく、ごく当たり前のことを主張しています。
ISOの箇条では、大事な要求事項には必ず「有効性(または有効)」という文言が登場します。附属書SLでは以下の箇条で登場します。
- 5.1 リーダーシップ及びコミットメント
–有効なマネジメント及びマネジメントシステムへの適合の重要性を伝達する
–マネジメントシステムの有効性に寄与するように人々を指揮し、支援する
- 6.1 リスク及び機会への取組
–その取組の有効性の評価
- 7.2 力量
–必要な力量を身に付けるための処置をとり、とった処置の有効性を評価する
- 7.3 認識
–マネジメントシステムの有効性に対する自らの貢献
- 7.5.1 一般(文書化した情報)
b)マネジメントシステムの有効性のために必要であると組織が決定した、文書化した情報
- 9.1 監視、測定、分析及び評価
–パフォーマンス及びマネジメントシステムの有効性を評価しなければならない
- 9.2.1 一般(内部監査)
b)有効に実施され、維持されている。
- 9.3.1 一般(マネジメントレビュー)
–マネジメントシステムが引き続き、適切、妥当かつ有効であることを確実にするために
- 10.1 継続的改善
–マネジメントシステムの適切性、妥当性及び有効性を継続的に改善しなければならない
- 10.2 不適合及び是正処置
e)とったすべての是正処置の有効性をレビューする
簡単にいうと有効性とは、「役に立っているか」です。当社にとって、
–マネジメントシステムは経営の役に立っているか
–各種規程、手順書は、それらを使う人達にとって役にたっているか
–実施した教育訓練は、実務で役に立っているか
–実施した是正処置は再発防止が確実にできており役に立っているか
といった形で解釈されると分かりやすいと思います。
役に立っているかどうかは、何のためにそれに取り組むのか目的に依存します。
目的が明確だと、手段も研ぎ澄まされ、ムダのない活動ができます。
「有効性」を意識してマネジメントシステムを運用したり、内部監査を実施したりすることをお勧めします。
※メルマガで配信したコラムを修正・加筆したものです