附属書SL箇条解説 4.2利害関係者のニーズ及び期待の理解

4.2 利害関係者のニーズ及び期待の理解
組織は、次の事項を決定しなければならない。
-XXXマネジメントシステムに関連する利害関係者
-XXXそれらの利害関係者の、関連する要求事項
-それらの要求事項のうち、XXXマネジメントシステムを通して取り組むもの
注記 関連する利害関係者は、気候変動に関する要求事項をもつ可能性がある。

解説:
箇条4.1と同様に、トップマネジメントが経営判断をする上での情報収集を目的としています。
精緻な分析が求められているわけではありません。トップが意思決定をするときに、意見に耳
を傾ける対象を決め、どのようなニーズ及び期待が寄せられているのかを知ることが重要です。

当初は、箇条4.1と一緒にする議論もあったそうですが、箇条4.2に独立した趣旨は、法令及び
その他の要求事項への対応(コンプライアンス)が重要視されたためです。
利害関係者のニーズ及び期待のうち、組織の取りくむべきものをしっかりと把握する必要があり
ます。

ちなみに、JIS Q 9001では、「“密接に”関連する利害関係者」という表現をしています。
他の規格は「関連する利害関係者」です。原文を日本語に翻訳する過程で、利害関係者を特定する、
という意味を持たせるため、“密接に”という用語が追加されました。これは原文にはない表現です。
なぜJIS Q 9001には“密接に”があって、JIS Q 14001にはないのか?ということで悩まれる方が
いるかも知れませんが、9001と14001では翻訳する人たちが異なること、9001が独断専行して“密接に”
を追記しただけなので気にしなくてよいです。

注記に「気候変動に関連する課題」が追加されました。
主要顧客から気候変動に関連する要望がないか、意図的に確認することをお勧めします。

箇条4.1と同様に、文書化した情報が求められていないので、記録を作成する必要はありません。

※メルマガで配信したコラムを修正・加筆したものです