1 不正のトライアングル
JABのシンポジウム「ISO 9001で組織の不祥事を予防する」を題材に、不祥事を予防するための監査ポイントを整理しました。
興味関心のあるテーマからご一読ください。
※本原稿は、TBCSメルマガに掲載したコラムを一部修正しております。
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1 不正のトライアングル
2 不適切行為が容易に行える環境
3 監査が機能していない
4 人事の固定化
5 品質保証部門の社内の位置づけが低い
6 部門間及び階層間のコミュニケーションが乏しい
7 コンプライアンス意識が低い
8 営業優先
9 収益重視に偏った経営
10 達成困難な目標設定
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1 不正のトライアングル
2020年に開催されたJABのシンポジウムで「ISO 9001:2015で組織の不祥事を予防する」という
テーマの講演がされました。「検査データ改ざんによる不祥事」を起こした組織(10社)が
公開してる調査報告書を分析したものです。
この調査では、不正の原因を「不正のトライアングル」に分類し、共通する特徴を明確にし
ました。不正のトライアングルとは、「機会」「動機・圧力」「正当化」のことで、この3つ
が揃うと不正が発生しやすくなるとのことです。
機会:不正行為の実行を可能ないし容易にする客観的環境
動機・圧力:不正行為を実行することを欲する主観的事情
正当化:正行為の実行を積極的に是認しようとする主観的事情
不祥事を起こした組織に見られた共通の特徴には以下のものがあったそうです。
<機会>
①不適切行為が容易に行える環境
②監査が機能していない
③人事固定化
④品質管理部門の社内の位置づけが低い
⑤品質管理部門への資源(人、モノ、金)投資が少ない
⑥部門間及び階層間のコミュニケーションが乏しい
⑦コンプライアンス意識が低い
<動機・圧力>
⑧営業優先
⑨収益重視に偏った経営(売上必達目標)
⑩達成困難な目標設定
<正当化>
⑦コンプライアンス意識が低い(再掲)
⑨収益重視に偏った経営(売上必達目標)(再掲)
⑪不適切検査が恒常化
次回以降、不正を防ぐために内部監査でどのようなアプローチをすべきかを紹介します。
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※メルマガで配信したコラムを修正・加筆したものです