附属書SL箇条解説 5.1リーダーシップ及びコミットメント

5.1 リーダーシップ及びコミットメント
トップマネジメントは、次に示す事項によって、XXXマネジメントシステムに関するリーダーシップ及びコミットメントを実現しなければならない。
-XXX方針及びXXX目的を確立し、それらが組織の状況及び戦略的な方向性と両立することを確実にする。
-組織の事業プロセスへのXXXマネジメントシステム要求事項の統合を確実にする。
-XXXマネジメントシステムに必要な資源が利用可能な状態であることを確実にする。
-有効なXXXマネジメント及びXXXマネジメントシステム要求事項への適合の重要性を伝達する。
-XXXマネジメントシステムがその意図した結果を達成することを確実にする。
-XXXマネジメントシステムの有効性に寄与するよう人々を指揮し、支援する。
-継続的改善を促進する。
-その他の関連する役割が、その責任の領域においてリーダーシップを実証するよう支援する。
注記 この規格で“事業”という場合、それは、組織の存在の目的の中核となる活動という広義の意味で解釈され得る。

解説:
この箇条は、組織の中でトップマネジメントが関与し、指揮するための活動を特定しています。
箇条5は、意図的に主語が「トップマネジメント」となっており、他の箇条の主語「組織」とは
明確に区別しています。

しかしながら、マネジメントシステム内のあらゆる活動に対してトップマネジメントが関与する
というのは現実的でないため、他の人々に委譲することを想定しています。したがって、箇条5.1
は、トップマネジメントの「心構え」と認識するのが良いです。トップマネジメントが無関心だと
マネジメントシステムが有効に機能しない可能性があるので、説明責任はトップマネジメントに
あることを主張しています。

また、マネジメントシステムの活動が本業と乖離することを避けるため、「事業プロセスへの
マネジメントシステム要求事項の統合」が要求されています。本業をサポートするためのマネジ
メントシステムでないと意味がありません。

ちなみに、commitmentに対する適切な日本語が存在しないため、コミットメントと外来語で表記されています。元々は「神に魂をゆだねる」という深い宗教的な意味を持っています。 そのため、
英語圏では「コミットメント」や「コミットする」という表現に、より重い責任感が込められて
います。 ISOは一神教の国々で作られた仕組みなので、日本人の考え方、習慣には馴染まないものがあることを認識しておくとよいです。

※メルマガで配信したコラムを修正・加筆したものです