附属書SL箇条解説 6.2 XXX目的及びそれを達成するための計画策定

6.2 XXX目的及びそれを達成するための計画策定

組織は、関連する機能及び階層において、XXX目的を達成しなければならない。

XXX目的は、次の事項を満たさなければならない。
a)XXX方針と整合している。
b)(実行可能な場合)測定可能である。
c)適用される要求事項を考慮に入れる。
d)監視する。
e)伝達する。
f)必要に応じて、更新する。
g)文書化した情報として利用可能な状態にする。

組織は、XXX目的をどのように達成するかについて計画するとき、次の事項を決定しなければならない。

-実施事項
-必要な資源
-責任者
-達成期限
-結果の評価方法

 

解説:
次の用語の解説をしてから、要求事項の解説をします。
①目的 ②機能 ③考慮に入れる

①目的
原文はobjectiveです。9001や14001では「目標」、27001では「目的」と翻訳されています。
objectiveという用語は、目的、目標など複数の日本語に対応していること、各マネジメントシステムにおいて、分野固有の背景などにより「目的」もしくは「目標」と翻訳しています。

「目的」「目標」に関しては、特別な意味を持って翻訳されていませんので、深く考えず、そういうものと思って受け止めることお勧めします。いずれにせよ、objectiveの意味は「達成する結果」です。複数のマネジメントシステムを認証している組織は、各組織の判断でしっくりくる翻訳に統一するとよいです。

②機能
原文はfunctionです。これも規格によって「機能」「部門」と翻訳が異なります。また、規格の発行時期によっても翻訳が異なるのでややこしいです。例えば、9001では2008年版までは「部門」でしたが、2015年版では「機能」と翻訳されています。「部門」と翻訳すると、全ての部門で目標設定
をしなければならないという、誤った解釈をされることが多かったので、2015年版では原文に忠実
に「機能」と翻訳されたそうです。目標は公平に設定するものではなく、必要に応じて設定するものです。

③考慮に入れる
原文はtake into accountです。規格では、「考慮する(consider)」と使い分けてます。
考慮に入れるは「必ず反映させる」、考慮するは「注意深く考える」です。

規格の説明に入ります。
a)~g)を満たす目標設定を要求しています。ポイントは以下のとおりです。
b)は数値化が難しい場合もあるので、(可能ならば)という記載があります。達成が判定できれば構
いません。
c)は目標のインプット情報を明確にし、自己満足的な目標設定にしないことが重要です。自部署に期待されていることを知っている人は目標設定が上手です。
f)は更新なので、目標を達成したら、さらに上位の目標を設定するイメージです(安易に目標を
下げるという意味ではありません)。

目標が絵に描いた餅にならぬよう、達成計画を作成します。
効率よく目標設定をしてほしいので、「必要な資源」を決定します。
やる気があっても、必要な経営資源(力量のある人、設備、作業環境など)が不足していると目標
達成の可能性は低下します。

※メルマガで配信したコラムを修正・加筆したものです