10 達成困難な目標設定
以下の事象が確認される場合は注意が必要です。
・技術的議論が不十分
⇒技術開発の先端の意見が通らないところがあり、「できない」と言えない風土があった。
・経営層が実情にそぐわない過大な目標を求めていた。
・親会社から来た経営者が親会社の意向を反映。
・過去達成したことがない品質目標の設定。
⇒例:顧客クレーム0件とあるが、創業以来達成したことがなかった。
達成困難な目標設定がされている場合、モチベーションの低下やデータ改ざん等の意識を醸成してしまうリスクがあるため、内部監査では以下の確認をするとよいです。
・モチベーションの低下やデータ改ざんを予防するための対策を講じているか。
・品質目標の進捗状況を監視し、必要に応じて更新しているか。
・製品及びサービスの合否判定基準に従った、プロセスの管理が適切に実施されているか。
・目標達成のため、特定の従業員にシワ寄せがいっていないか。
・目標とノルマが混同していないか。
達成困難な目標が必ずしも悪いわけではありません。
達成可能性を高める手段として、高い目標を設定するケースがあります。
高い目標を設定する意味を履き違え、「目標=ノルマ」の認識だと種々のリスクが顕在化する恐れがあるため注意が必要です。
※メルマガで配信したコラムを修正・加筆したものです