8 適合性
「適合性と有効性」について取り上げます。
今回は「適合」を解説します。
「適合」の概念を理解するのは困難です。
JIS Q 9000では、「要求事項を満たしていること」と定義しています。
この「満たしている」というのがとても分かりにくいです。
日本語で分からない場合、原文(英語)で確認するのが定石です。
原文では、適合(conformity)を「filfulment of a requirement」と定義しています。
filfulmentは、「実現」「履行」「遂行」といった翻訳をされることが多いです。行動に関する概念です。
「満たす」という中途半端な翻訳によっていろんな解釈が生まれているのだろうと推測します。
箇条9.2内部監査では、次の事項に適合している状況を確認することを要求しています。
1)マネジメントシステムに関して、組織自体が規定した要求事項
2)この規格の要求事項
シンプルに考えると、
・組織の決めた要求事項(各種規定や手順)を実行しているか
・ISO規格の要求事項を実行しているか
ということになります。
実際の内部監査において、もやっとした表現の多いISO規格の要求事項の実行度合いを評価する
のは困難なので、組織の決めたことを正しく実行しているのかどうかにフォーカスして、現場を
監査することをお勧めします。書類上チェックだけでは実行の度合いを評価することは困難です。
※メルマガで配信したコラムを修正・加筆したものです