9 「おさえておきたい用語」文書化した情報
従来、「文書」「記録」という用語を用いていましたが、ISOマネジメント
システムの共通要素では、廃止されました。廃止された理由は、電子データの
活用が多くなるにつれ、文書・記録という用語は紙媒体での管理を連想させる
という意見があったためです。
当初は、文書・記録の代わりにinformation(情報)という用語を用いることも
検討されましたが、informationだけだと管理対象が広がりすぎて分かりにくい
という意見があったため、「documented information」という表現を用いるこ
ととしました。
日本語では「文書化した情報」と訳されていますが、趣旨からすると「管理す
べき情報」と訳した方が良いのではないかと思います。
いろいろな情報が組織には存在します。情報は種々の媒体で保管されます。
管理すべき情報が、適切に管理されていないと、当然のことながら業務に支障
が生じます。
ISOに関わらず、「管理すべき情報」が適切に管理されているかどうかの観点
で自社の仕組みを見直すことをお勧めします。
ちなみに、ISOマネジメントシステムの共通要素では、従来の文書を「文書化し
た情報の維持」、記録を「文書化した情報の保持」と表現します。
ISOでいう維持はメンテンナンスのことです。情報をメンナンスするということ
は、文書の改訂・更新をすることができるという意味です。記録は改訂・更新の
対象ではないので、保持(retain)という用います。
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※メルマガで配信したコラムを修正・加筆したものです