12 質問のテクニック

内部監査は、質問をして被監査者より監査証拠を入手します。
入手した監査証拠を監査基準と照らし合わせて、適合・不適合の判定をします。

このことから分かるのは、
・被監査者が嘘をついたり、ごまかしたりしたら内部監査は崩壊するということ
・内部監査員の質問の仕方によって、入手できる監査証拠にバラツキが出やすいということ
の2点だと思います。

被監査者が嘘をついたりごまかしたりしないためにも、被監査者と監査目的を共有することが重要です。決して「重箱の隅を突きにきた」と思われないように被監査者とコミュニケーションをとってください。また、初回会議を開催し、監査目的(MSの改善に役立つ情報収集をするために内部監査を実施します!など)を伝え、被監査者が協力しやすい環境づくりが必要です。

質問をする際は、ただ漠然と質問をするのではなく、監査証拠として入手すべき情報を連想しながら質問をするとよいです。内部監査員は質問をすることよりも、欲する監査証拠の入手にフォーカスして内部監査を進めるのが基本です。つまり、目的意識をもって質問をするということです。

監査のガイドラインであるISO 19011 A.17「面談の実施」の中で、「質問の種類を注意して選択する(例えば、自由質問、選択質問、誘導質問・・・)」と記載されています。

この記述には2つの意味合いがあると思います。
①欲する監査証拠を入手するためには、どのような質問のスタイルが望ましいのかを考えながら
質問をすること。
②被監査者のレベルにあった質問をすること。

自由質問に固執すると、いたずらに時間が過ぎてしまうのでご注意ください。

※メルマガで配信したコラムを修正・加筆したものです