11 「おさえておきたい用語」レビュー
ISOマネジメントシステム規格では、「レビュー」という用語は、箇条4から10まで頻繁に
登場します。「見直し」という意味合いでとらえていらっしゃる方も多いと思いますが、
重要なのは、どのような観点で見直すのか、ではないかと思います。
ISO 9000では、以下のようにレビューを定義しています。
「設定された目標を達成するための対象の適切性、妥当性または有効性の確定」
キーワードは「適切性」「妥当性」「有効性」です。これらの違いを認識した上で、設定
された目標を評価します。ここでいう適切性、妥当性、有効性とは目的を達成する
ための活動を評価することにフォースしています。
適切性とは、「目的に対して正しい活動がされているか」という意味合いです。
そもそも、的外れな活動をしては成果が出ません。目的の達成に見合った活動が計画されて
いるかを評価します。
妥当性とは、「目的に対して量的に過不足がないか」という意味です。
八分(はちぶ)ではムラ、十二分(じゅにぶん)ではムダ、十分(じゅうぶん)であること
が望ましいです。
有効性に関しては、ISOの定義があるのでそれを紹介します。ISOでいう有効性とは、
「計画した活動を実行し、計画した結果を達成した程度」です。
計画したとおりに活動をし、計画通りの結果が達成できたとき、「その取り組みは有効で
あった」と結論づけることができます。「結果よければ全てよし」をISOは嫌います。
なぜならば、再現性の確保が難しいからだと思います。良いことは将来にわたって再現したい
ですし、悪いことは再現したくありません。良いことの再現性と悪いことの非再現性をどの
ように担保できるかは、レビューを実施するタイミングや方法に依存します。
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※メルマガで配信したコラムを修正・加筆したものです