14 内部監査員の力量

14 内部監査員の力量

ISO 19011「マネジメントシステム監査のための指針」では、監査員の力量を
次のように定義しています。

『意図した結果を達成するために、知識及び技能を適用する能力』

知識と技能ですから、「知っていなければいけないこと」「できなければいけないこと」
を明らかにし、習得できるよう教育訓練しなければなりません。

監査員に必要な力量とはなんでしょう。

知識は、ISO規格、マニュアルや規定といった監査基準、内部監査に関する知識です。
技能は、質問の仕方やチェックリストの作成など様々なスキルがありますが、指摘事項を
「探す」「伝える」「記録する」が重要であると考えます。

<探す>
指摘の対象には、あらかじめ赤札がついているわけではありません。
監査証拠を収集する過程で、「おかしいな」という内部監査員の気づきが「探す」
の第一歩です。受動的に監査をしていては「おかしさ」に気づかない可能性が高い
ので、監査目的を明確にし、能動的に監査を実施することが期待されます。

<伝える>
被監査者に対する説明責任を果たすことが重要です。なんとなく不適合、とりあえず
観察という訳にはいきません。「被監査者に納得してもらえるよう、この監査証拠は、
この監査基準に抵触しているので不適合です」としっかり説明をします。
説明をするためには、監査基準を内部監査員が理解している必要があります。

<記録する>
内部監査員の成果物は「内部監査報告書」です。内部監査の結果を、わかり易く、
読む人に誤解を与えないように記載します。とりわけ、不適合を書くときは注意
が必要です。被監査者が効果的な是正処置を実施できるよう、情報が漏れなく記載
されていなければなりません。情報を漏れなく記載するのが難しいです。
不適合の書き方は、平述式と三段式があります。社内で書き方を統一することを
お勧めします。バラバラの記載だと、まとめてレビューする際に時間がかかったり、
読み間違えを起こすなどリスクがあります。
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※メルマガで配信したコラムを修正・加筆したものです