13 原因を指摘する?

内部監査員養成研修で「不適合の判定」の演習をする際、「原因」にフォーカスをして指摘される方がいらっしゃいます。
例えば、「毎年2月に手順書の見直しをすることになっているのにもかかわらず、手順書の見直しがなされていない」という事象が確認できた際、「担当者の認識不足。監査基準7.3」といった具合です。

不適合の原因を、「担当者の認識不足」としたい気持ちは分かるのですが、果たしてこの指摘は適切でしょうか。
監査証拠と監査基準を照合し、監査所見(適合・不適合・観察など)を判定します。

「担当者の認識不足」を不適合で指摘をする場合、内部監査員がそのことを直接確認しなければなりません。
手順書の見直しがなされていないのは、「担当者の認識不足が原因である」と思い込んで指摘をするのは好ましくありません。

不適合は是正処置の対象であり、是正処置では不適合の原因を究明します。
したがって、内部監査員は確認できた事実、ここでは「手順書の見直しがなされていない。監査基準7.5.2」で指摘をするのが良いと思います。
被監査者が不適合の原因を検討した際、「異動で担当者が交代されたため、文書見直しができなかった」という原因になるかもしれません。

いろいろご意見はあるかと思いますが、あまり複雑に考えずに、確認できた事実にフォーカスして指摘をすることをお勧めします。

※メルマガで配信したコラムを修正・加筆したものです