2 マネジメントシステムの活用度チェック

2 マネジメントシステムの活用度チェック

マネジメントシステムが活用されているかどうかをチェックするときに、私は次の5つの質問
を組織に投げかけています。

質問1 あなたは、組織が決めたことをどの程度実行していますか。
質問2 あなたの部署のメンバーは、組織が決めたことをどの程度実行していますか。
質問3 100%実行できていなかったとした場合、その原因を知っていますか。
質問4 100%実行できない状態が、組織にどのようなデメリットをもたらすか知っていますか。
質問5 100%実行できない状況を改善する予定はありますか。

前提条件として「組織が決めたこと」とは、従業員による合意形成がなされている方針、目標、
規則、手順を意味しています。そもそも合意されていないことは実行されない可能性が高いか
らです。

マネジメントシステムに限らず、組織の活動の基本原則は「決めたことを実行する」です。
PDCAの理屈も大事なのですが、PとDがあってのPDCAです。

これらの設問では、実施状況の度合いについて確認をしています。厳密な数値でなくてもよいの
で、ざっくりとイメージできると良いです。複数人で同じ設問をすると、必ずバラツキがでます。
その時は、なぜハイスコアにしたのか、なぜロースコアにしたのかについて、事実に基づいて意
見交換をすると良いです。

質問3の「できない原因」を知ることは重要です。その原因を人のせいにすると、問題解決は困
難になります。

質問4と質問5は、リスクについて言及しています。組織が決めたことを実行しなかった場合に
想定されるリスクがなかったとしたら、重要度や緊急度が低いため実行状況が放置される可能性
が高いです。
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※メルマガで配信したコラムを修正・加筆したものです