6 ISOマネジメントシステムの2つの目的

6 ISOマネジメントシステムの2つの目的

「御社の〇〇レベルは100点満点中何点ぐらいですか?」という質問をよくします。
(〇〇には、品質、環境、情報セキュリティ、食品安全などが入ります)
自信をもって「100点満点!」と答える方に会ったことはありません。
合格点が60点とした場合、「合格しているからOKです」という回答もあり得ると思いますが、その状態でよろしいのでしょうか。
ちなみに、善し悪しの判断をするのが「〇〇方針」です。

ISOマネジメントシステムの目的の1つ目は、「現状の〇〇レベル」を維持すること
です。そのために、様々な手順書などの文書を作成したり、教育訓練を実施したり、
修正や是正処置といった取組みをします。

2つ目の目的は、「目標の達成」です。そもそも、なぜISOマネジメントシステムで
は目標設定を要求しているのでしょうか。目標設定をする意義についてご検討いた
だいたことはございますか?「ISOで目標設定が要求されているので目標設定をし
ています」という回答だと目標が形骸化し、マネジメントシステムの有効性が発揮
できない可能性があります。

目標達成を通じて、60点を65点へ引き上げる、65点を70点へ引き上げる、というイ
メージが大事です。皆さんの組織では、〇〇レベルを引き上げるのに貢献する目標
設定がされていますか?どのようにすれば100点に近づくのかを考えるのが目標を
設定する意義です。

現状のレベルを維持すること、目標設定を通して引き上げること、この両輪が
ISOマネジメントシステムの目的であり、「継続的改善」の意図するところだと思い
ます。目標設定がないと継続的改善のきっかけが不適合やクレームとなり能動的な
活動が期待できません。ISOは受動的な取組みではなく、主体的な取組みをサポート
する仕組みです。
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※メルマガで配信したコラムを修正・加筆したものです